vol.4「なんでも話せる親子」であることの落とし穴
〜“共感”の先にある、親の責任と視点〜
のべ10万人以上を指導してきた中で見えてきた
お母さんと子どもの“笑顔の育て方”を綴っています。
子育てでも大事なのは“ちょうどよい加減”。
それが難しいけれど……
今回も少し、一緒に考えてみませんか?
子育てにはいつも根底に流れているものがあります。
それが、子育ての基本とも言える
『保護と干渉』
保護とは“愛情”、干渉とは“しつけ”です。
そして、
保護が大きければ大きいほど、
子どもは干渉=しつけを受け入れてくれます。
同時に、
保護が大きければ大きいほど、
自我が育ち、わがままも膨らんでいきます。
ですから、
このバランスを上手にとることがとても大切なのです。
子どもが「〇〇したくない」と言ったとき、
「そう思うんだね」と共感してあげることは、
とても大切な親の姿勢だと思います。
でも、忘れてはいけないことがあります。
それは――
子どもの視野はまだ狭く、
経験も浅いということ。
親と子では、
見えている世界がまったく違います。
そして、
都合の悪いことは、
大人の私たちだって簡単には口にしませんよね。
人は皆、生まれたときは“自律していない存在”。
もっと分かりやすく言えば――
誰もが“怠け者”として生まれてくるのです。
そのままにしておけば、
つい楽な方へ流れてしまうもの。
だからこそ、
「やりたい」「やりたくない」
という言葉の裏には、
未熟さや不安、
逃げたい気持ちが隠れていることも多いのです。
もちろん、
子どもとたくさん話をすることはとても大切です。
共感して、
気持ちを受けとめて、
寄り添ってあげること――
それは親の愛そのものです。
でも、ここがとても大事だと私は思うのです。
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たくさん話すうちに、
“友達のような関係”になってしまう落とし穴があります。
「うちの子は何でも話してくれる」
「一緒に考えてあげたい」
――そんな気持ちが強くなりすぎると、
“子どもの判断に任せすぎる危うさ”
が生まれることもあります。
子どもに選ばせることが大切な場面ももちろんあります。
けれど、
親として「こんな人に育ってほしい」
と思うゴールがあるのなら、
ときには“選ばせない厳しさ”も必要です。
目の前の選択よりも、
その先にある未来を見据えて――
「今は親が導くときだ」と判断できるのは、
大人である私たちです。
そのとき、子どもは不満に思うかもしれません。
「頭ごなしだ」と感じるかもしれません。
でも、やがて気づく日が来るのです。
「あのときの親の厳しさには、
ちゃんと理由があったんだ」と。
その時、子どもはきっとこう思います。
「親は責任をもって、私を育ててくれたんだ」と。
そして、
その“責任ある愛”に、
心から感謝する日がやってきます。
すべてを言葉で説明しなくてもいい。
親の言葉と行動の一貫性のなかに、
子どもは“本気の愛”を感じ取っているのです。
だからこそ、
「なんでも話せる関係」であろうとしながらも、
親としての視点と責任だけは、
どうか手放さずにいてください。
皆さまは、どのように感じられましたか?
思ったこと、聞いてみたいこと、ご質問など、
どんなことでも大歓迎です。
どうぞお気軽にご連絡ください。
心を込めて、返信させていただきます。